2005年08月22日

心焉に在らざれぱ、視れども見えず、
     聴けども聞こえず、食らえども其の味を知らず。


『大学』

「心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味」
(こころ、ここにあらざれば、みれどもみえず、きけどもきこえず、
くらえどもそのあじをしらず)

うわのそらであったなら、ものを見ても見えず、聞いても聞こえず、
食べてもその味がわからない。

               ※※

ものを見て、それがどういう動きをしているか、
ものを聞いて、そこにどんな意味があるのか、
ものを食べて、それがどんな味なのか――それらを受け止める五感は、
ほんとうは心の働きなのかもしれない。

Aの人とBの人がいっしょに何かを見ても、
一方の人には気付くことが、もう一方の人には、
見過ごしてしまうことがある。その差は、心の作用――ということ。

心にこそ感受性の源があり、心が作用しなければ、
自分が向き合う対象の意味は理解することも判断することもできない。

               ※※

「心眼」――の言葉を想起する。


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巧詐は拙誠に如かず

『韓非子』 説林

巧詐不如拙誠 (こうさはせっせいにしかず)

巧みに偽り人を欺こうとするよりも、
拙くとも誠意を示すほうが、ずっと相手に響くもの。

               ※※

窮地に陥ったからといって、下手に言い逃れしようとしたり、
取り繕うとしては傷口を広げるだけ。覚悟を決めて、
正直に向かい合うほうが、信用を失わないで済む。

巧みに騙したつもりになっても、
相手に見抜かれては、2度と信用を回復できない。

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2005年08月21日

巧言令色、鮮なし仁

『論語』 学而

「巧言令色、鮮矣仁」 (こうげんれいしょく、すくなし、じん)

言葉巧みで顔つきもにこやかな人物にかぎって、
徳の少ないことが、おうおうにしてある。

               ※※ 

うわべだけで人を判断してはならないことの戒め。
詐欺師に限って、ヘラヘラ口であるし、愛想もよい。
そんな人間に引っかかると、後悔してもしきれない。

心して、人物を見極めよ。

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剛毅木諏は仁に近し

『論語』 子路

剛毅朴訥近仁 (ごうきぼくとつ、じんにちかし)

心が強くて飾り気がなく、寡黙な人間ほど、
真の人材であることが多い。

               ※※

不言実行――という言葉がある。
ヘラヘラしている割には行動が伴わない人間の逆を言う。
黙って、為すべき事を為す――、この言葉はそういう
男子の美学を言い表しているようだ。

「巧言令色、少なし仁」の言葉と対で用いられることが多い。
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君子は豹変し、小人は面を革む

『易経』革・上六 (先奏)

「君子豹変、小人革面」 
(くんしはひょうへんし、しょうじんはおもてをあらたむ)

君子は時に応じて、豹の毛が生え変わるように、鮮やかに変化する。
これに反して、小人は上の人に従う顔つきだけはする。

               ※※

真に、ひとかどの人物であれば、変化、変革を恐れない。
必要であれば、あるいは過ちとわかれば、
がらりとやり方、態度を変えたりもする。

ところが小人は、表面上、それを受け入れる素振りをしつつも、
旧来のやり方やメンツにとらわれ、古いやり方や、
いったん口にした自説にこだわってしまう。

               ※※

この、「君子豹変」の言葉はよく耳にするのだが、
ちょっと、いくつかの辞書、参考文献を調べてみたところ、
解釈がまちまち、諸説ある。「君子は自ら鮮やかな変革を遂げ、
小人は変革の結果を受けとめ、顔つきを改めて従う」とも解釈できる。
そのほかにも、いろいろ解釈が成り立つ。
『易経』であるがゆえの、特質かもしれない。
しかし、yodaway2としては冒頭のように解釈してみた次第。

なお、「大人は虎変す」(たいじんはこへんす、易経)も同義。
posted by 「言葉の力」研究所 at 00:54| Comment(3) | TrackBack(1) | カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月20日

好を去り悪を去れば、群臣、素を見わす

韓非 『韓非子』 

「去好去悪羣臣見素」
(こうをさり、おをされば、ぐんしん、そをあらわす)

上に立つ者派自分の好き嫌いをおもてに現してはいけない。
下の者がこれに迎合して、本心を隠してしまうからだ。

上の者が好きだとか嫌いをおもてに出さなければ、
下の者も本心を現わし、何を考えているかがわかるというもの。

               ※※

自分の考えを隠せ――ということ。隠して、相手の考えを先に読む。
「韓非子」の言葉は統治の術、リーダーの心得として言っているが、
組織社会の人間関係、交渉ごとにおける、多くの場面で当てはまりそう。

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※50音順、テーマ別のインデックスについては、
もう少し、言葉のストックが進んでからつくります。
しばらくお待ちください。^^
posted by 「言葉の力」研究所 at 22:37| Comment(16) | TrackBack(0) | カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

口に蜜有り、腹に剣有り

『新唐書』李林甫伝 (北宋)

口有蜜、腹有剣 (くちにみつあり、はらにけんあり)

言葉は蜜のように甘く親切だが、腹の中に恐ろしい剣を秘めている。
信用ならない人物のたとえ。

               ※※

人はうわべだけを見て簡単に信用すると、手痛い火傷を負うことも。
味方のふりをして親切な態度を示しながら、その実、影に回って悪口を言い、
人を陥れようとするような人物――というのは、案外、思い当たるものなのだ。

残念だが、善良であるだけでは、
厳しい組織社会、現実の競争社会を生き抜いていけない。




べの二とばは親切だが、心の内は陰険な二とのたとえ。唐の宰相李林甫に
ついていった毛の。
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義を見て為さざるは、勇無きなり

『論語』為政 (先奏)

見義不為、無勇也 (ぎをみてなさざるはゆうなきなり)

こうするのが正しいとを知っていながら、
それを実行しないのは、勇気のない、臆病者である。

               ※※

人はそれが正しいと思っても、自分の保身のために、
声を挙げない――ということがある。何かの圧力に屈して、
ものごとを正視せず、大勢につこうとする。
逆から言えば、そうした風圧に耐え、主張したり行動するのは、
並大抵のことではない――ということ。

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2005年08月17日

錐の、のう中(のうちゅう)に処るが若し、
     其の末立ちどころに見る

『史記』 平原君・虞卿列伝 (前漢)

「若錐之処於●中、其末立見」 
(きりののうちゅうにおるがごとし、そのすえたちどころにあらわる)

※●=「のう」。なべぶたにくち、くち、うかんむり、「襄」の下の部分。
ふくろ、の意。

すぐれた人物というものは、袋の中の錐の先が袋を破って突き出るように、
いつかは必ずそのすぐれた才が外に現れ出る。

「のう中の錐」ともいう。

               ※※

逆境にあっても腐らず、時を待て。
修養を忘れず、技量を磨けば、必ず世に出ることができる。
真に才があれば、世の中が放っておくものなどか――。

posted by 「言葉の力」研究所 at 17:31| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

疑心暗鬼を生ず

『列子』 説符
疑心生暗鬼(ぎしん、あんきをしょうず)

心に疑いがあると、ありもしない鬼の姿を見たりするように、
さまざまな恐ろしい妄想が生まれてくる。

冷静にみれば何でもないことが恐ろしく感じられたり、
疑わしく思えたりする心の状態をいう。

「暗鬼」とは暗がりに出る幽霊や鬼。

               ※※

自らの考え、信条に自信が欠けているときにも、
おうおうにして、疑心暗鬼となることが……。
しっかり人物を、そして情況を見極めたいもの。
posted by 「言葉の力」研究所 at 16:59| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月16日

莞を以て天を窺い、蠡(ひさご)を以て海を測る。

東方朔(とうぼうさく) 「答客難(きゃくのなんずるにこたう」  (前漢)

以莞窺天、以蠡測海 
(かんをもっててんをうがち、ひさごをもってうみをはかる)

イグサの穴から天をのぞき、蠡(ひさご)を用いて海を測る。
見聞や思考の範囲の狭い小知で大知をはかることのたとえ。
「莞」は藺草(いぐさ)。「蠡」は瓠でひさご。

               ※※

「井の中の蛙、大海を知らず」に近い意。
posted by 「言葉の力」研究所 at 23:54| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

歓楽極まって哀情多し

漢武帝(かんぶてい) 『秋風辞(しゅうふうじ)』  (前漢)

歓楽極兮哀情多。(かんらくきわまってあいじょうおおし)

喜ぴや楽しみが最高潮に達すると、どういうわけか、
かえって胸のうちにかなしみを覚える。

               ※※

河東地方において、地の神后土を祭り、
酒宴を開いた折に作った「秋風の辞」の一節。

栄華の絶頂にあった武帝(劉徹、りゅうてつ)が、
漢の勢いのさかんなことを歌いながらも、その一方に、
ふと人生のはかなさを感じてしまった。

               ※※

華やかさの陰に孤独あり、葛藤あり、諦念あり。
posted by 「言葉の力」研究所 at 23:40| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

渇者は火を思わず、寒者は水を求めず

韋応物(いおうぶつ) 
「城中臥疾(じょうちゅうやまいにふす)」詩 -唐-

渇者不思火、寒者不求水。
(かっしゃはひをおもわず、かんじゃはみずをもとめず)

のどが渇いている者は水を求めているのであって、
暖をとるための火を求めたいとは思わない。
また逆に寒さに凍えている者は、水を欲したりはせず、
暖を求めているのだ。

人はおのおの、その当面の欲求を満たしてくれるものこそを希求する。
posted by 「言葉の力」研究所 at 23:02| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

功無きの臣を官せず、戦わざるの士を賞せず

曹操『論吏士行能令』
「不官無功之臣 不賞不戦之士」
(こうなきのしんをかんせず、たたかわざるのしをしょうせず)

賢明な君主は功績のない臣下は重職として登用しないし、
戦わない兵士を讃えたりしたりしないもの。

人事は公明正大に――ということ。
論功行賞を恣意的に行えば組織の統制は乱れる。


『韓非子』の「信賞必罰」に近い言葉。
posted by 「言葉の力」研究所 at 18:36| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

公事は私に議せず

『礼記』

「公事不私議」 (こうじはわたくしにぎせず)

公的な事柄を私的なところで議論すべきではない。
そのことをはかるべき場があるのだから、それ以外のところで、
あれこれ取り沙汰してはいけない。

               ※※

陰でばかり意見している人物は、
結局、信用されないし、評価もされない。

posted by 「言葉の力」研究所 at 18:23| カ行 ……カキクケコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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