2005年08月15日

「孫子」が一瞬でわかる11の言葉!――yodaway2選

● 彼を知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず。
  彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
  彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆うし。


相手を知って自分のこともわかっていれば、百度戦っても危ないことはない。
相手のことはよくわからないとしても、自分のことがわかっていれば、
勝ったり負けたりということになるだろう。相手のこともよく知らない、
そして自分のこともわからないという状態であれば、
戦いの度に、決まって危険な目に陥ってしまう」――ということになる。


● 兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。

戦争は国家の命運を決める大事な問題。国民の生死が決まり、
国家存亡の分かれ道となる。だから、そこのところを
よくよく考えて行わなければならない。

※「孫子」の一番最初に出てくる言葉。


● 兵は詭道(きどう)なり。

戦争はだまし合いである。

※これこそ、「孫子」の中心的な命題。


● 算多きは勝ち、算少なきは勝たず。
  而(しか)るを況(いわ)んや算なきに於いてをや。


戦いは勝ち目があるから勝ち、勝ち目が少なければ勝てない。
だから、ましていわんや、勝ち目がまったくないのに戦っても、勝てるはずがない。

※戦争するからには、よく計算してからにせよ、ということ。精神論はダメ。


● 兵は拙速(せっそく)なるを聞くも、いまだ功の久しきを賭(み)ず。

古来、戦いはすばやく集中してやるのが良いとは聞いているが、
ぐずぐずだらだらやって、国家国民のためになったなどという例はない。

※長期戦は避けよ、泥沼になっては危険このうえなし。


● 百戦百勝は善の善なるものにあらず。
  戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。


百回戦って百回勝ったからといっても、それがベストな戦い方とは言えない。
戦わずして敵の軍隊を降伏させてしまうのが、最もすぐれた戦い方なのだ。

※「孫子」のなかで、私たち日本人が最も愛してきた言葉?
戦わずして勝つ――!


● 戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は
  勝(あ)げて窮むべからざるなり。


戦いの形は奇(奇襲戦法)か正(正攻法)かのどちらかに過ぎないのだが、
その奇と正が織りなす変化の形は無限となる。

※千変万化、変幻自在の戦術で戦いに臨め、ということ。


● 兵の形は実を避けて虚を撃つ。

戦いの形、作戦は、敵の備えの厚いところを避け、
隙のあるところ、手薄なところ、油断しているところ、すなわち「虚」を衝け。

※個人的に「実を避けて虚を撃つ」、この言葉こそ
「孫子」のもっとも重要な言葉と考えている。よって★★★。
この言葉の前に「兵の形は水に象(かた)どる」がある。これも重要。


● 兵は詐(さ)を以て立ち、利を以て動き、
  分合(ぶんごう)を以て変を為す者なり。


戦いでは敵の裏をかくことを中心にすべきだし、
有利なところを見極めて動くべきだし、
自在に分散したり集合したりして変化の形をとっていくべきだ。

※繰り返し、繰り返し、「孫子」は”変化せよ”、と説いている。


● 主は怒りを以て師を興すべからず、
  将はいきどおりを以て戦いを致すべからず。


君主は怒りにまかせて軍を動かすべきでないし、
将軍も憤りに任せて戦ってはならない。

※冷静であれ、と説く。「孫子」はクールで、物事に
とらわれない姿勢を求めている。


● 先知なる者は鬼神に取るべからず。
       ……必ず人に取りて敵の情を知る者なり。


あらかじめ戦いの帰趨を知る者は鬼神のおかげではない。
必ず人(間諜)に頼ってこそ、敵の情報を得て先を読むことができるのだ。

※「孫子」の最後の章は「用間篇」。
すなわち間諜、スパイの効用、情報の重要性を説いている。
これが2500年前の書だ。


               ※※

■ 「孫子」について……古今のリーダーに啓示を与える必読の書。

「孫子」はいまからおよそ2500年前、中国古代(春秋時代)に生まれた
戦いの書、戦争の理論書――。
著者は諸説あったが、最近の研究では孫武に落ち着いている。

当然のことながら、「孫子」が時代を超えて読み継がれ、
さらに西洋など、異なる文化圏にまで支持されているというのは、
その言わんとするところが、いつの時代にも、人間の行いの所産としての
政治、外交、ビジネス、人間関係のすべてに通じているがゆえのこと。

事実、「孫子」から歴史上の、そして現代のリーダーたちが
多くの啓示を受けてきた例は、数多く紹介されている。

               ※※

ナポレオンはフランス人宣教師の訳した「孫子」を
多忙な戦陣にあっても片時とも手放そうとしなかった。

独皇帝ヴィルヘルム2世は第1次世界大戦に破れ、亡命先のロンドンで
初めて「孫子」を手にし、次のような悔恨の言葉を残している。
「もし私が、20年前にこの書を得ていたならば、あのような惨敗は
まぬがれていただろう」と。

現代の中国、中華人民共和国を建国した毛沢東もまた、
「孫子」を座右の書とし、抗日戦と国共内戦とに勝利した。

日本において「孫子」を中国から初めて持ち帰ったのは、
8世紀の遣唐使、吉備真備と言われている。
以来……、中国においても
「家ごとに孫呉(孫子と呉子、どちらも兵法書)の書を蔵す」(「韓非子」)と言われ、
もちろんよく読まれてきたのだが、日本においても
本家・中国に遜色ないほど読まれ、例外なく武将の必読書となった。

武田信玄の旗印「風林火山」も「孫子」の一節からとられたもの。
徳川家康が官版「武経七書(代表的な7つの兵法書、全集のようなもの)」を
刊行させたことが契機になって、江戸時代には儒者が競って注釈を書いた。

               ※※

現代ではどうか……。

「孫子」は、米国のウエスト・ポイント米陸軍士官学校で
長く副読本となっているらしい。

先の湾岸戦争において、制服組の最高司令官であった
パウエル氏(現国務長官)もナポレオンのように「孫子」を愛読し、
やはり戦陣に携えていたという。

その湾岸戦争中に、ロサンゼルス・タイムズの記者が
ジョージ・H・ブッシュ大統領(父ブッシュ)にインタビューするため、
ホワイトハウスの執務室を訪れたところ、机の上にあった2冊の書のうち1冊が
「孫子」だった――。ちなみに、もう1冊は「カエサル伝」だったという。



★本稿はトピックス版です。通常の「名言名句」はブログ機能を活用・工夫し、
アカサタナ…行別に整理し、データベース仕立てにしています。
だいたい、1日に5つくらいの名言名句をアップしていければよいのですが。^^
posted by 「言葉の力」研究所 at 00:00| 超速習!「孫子」のことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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